Explore the Human Mind

北米大学院留学の準備,心理学研究,ブレインストーミングなどをトピックとするブログ

仕事と意味と遺伝子調節 ~CTRA発現とwell-beingの関連~

Kitayama, S., Akutsu, S., Uchida, Y. and Cole, S. W. (2016) Work, meaning, and gene ragulation: Findings from a Japanese information technology firm. Psychoneuroendocrinology, 72, 175-181.

DOI: https://doi.org/10.1016/j.psyneuen.2016.07.004

 

 

Key Words

Gene regulation, Well-being, Work meaning, interdependence with others

 

要約

人生の意味は,典型的には目的感覚や成長,社会的定着(=ユーダイモニックwell-being: EWB)に映し出されるのだが,かなり望ましい健康状態と関連してきた。

特に,この経験は,困難に反応するconserved transcriptional(CTRA)と逆に関連する。

CTRAとは,ウイルス抵抗に関する遺伝子の炎症/ダウン・レギュレーションに関わるアップ・レギュレーションの遺伝子に関連するものである(?)。

しかしながら,これまで,このtranscriptomeのプロファイルがどのように特定の社会文化的文脈で位置づけられているのか分からなかった。

本稿では,日本の大規模IT企業に勤める106名の男性workersを検証し,CTRAが一般的なEWBだけでなく,自分の仕事に意味を感じたり,仕事場で他者と相互作用している感覚に由来する文脈的な意味の感覚(これはEWBとどう違うの?)とも,逆に関連することが分かった。

これらの結果は,人生の意味を規定する社会文化的決定因を含めることで,これまで考えられてきた「個人的well-being」と「CTRA遺伝子発現」との関連を広げる。

 

 

メモ

2019年の内田先生の講演で紹介されていた論文。

講演の文脈で聴くと面白かったが,論文の要旨単体で見ると,この発見にどういう意味があるのかイマイチ掴めない。

これはイントロと議論を見なければ分からないような。

自己報告尺度だけじゃなく,生理学的(?)尺度で見ても,日本人のワークスペースでは他者との相互作用がCTRAを下げることが重要,というところだろうか。。

分からん。